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失うことは

父を失ったとき

これからは私が母を..

でも..

.

病院のベッド

父が私に伝えた最後の言葉

「お母さんを頼むね」

それは母が給湯室に行っているときだった

.

父は自分の最後に気づいていた

母はそのことを跳ね除けるように

退院したら旅行しようと

父の手を握っていつも語っていた

でも本当は母もどこかで気づいていた..

ぐるっと父に背を向けるとき

母はいつも泣いていた

.

ずっと一緒に暮らす約束はしてたけど

先に行っていいなんて

私は許してなかったのよ

父の一周忌が終わった頃

ぽつんと母が言った言葉

.

夫婦って

特別の会話が無くても

心が通じている

喧嘩してお互いに背を向けていても

心は見つめ合っている

ちゃんと横にいなくてはいけない存在

それが夫婦

.

そんな夫婦にわたしたち

戻れるのでしょうか

.

たった一度の裏切り行為

その一度が

とても大きな傷となって

私の心に残っている

.

なりゆき

出来心

この言葉で片付けてほしくはない

目の前に居るけれど

この行為は

失うものが大きすぎる

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